シュンの日記なページ

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独りスキヤキ

 家族が無事、帰省したようで、家に帰り着くと静まり返った真っ暗なリビングに、細火のストーブがちろちろと燃えている。灯りを点けてストーブを盛大に焚き(札幌ではストーブを「つける」「燃やす」ではなく、「焚く」という、石炭ストーブの記憶が強いのかも……)、片手には、イオン24時間店で仕入れてきたスキヤキの材料が。スキヤキのタレを買い忘れたので、面倒ながら醤油と酒と砂糖で味を調整しながら、肉を焼き、ビールをぐいぐい。親父が40年くらい前にいつもやっていたことを今になって真似しているわけだ。我が家は関西風のタレで煮るスキヤキなのだが、こういう水分少なめの関東版スキヤキというのもなかなかオツである。ちなみに、北海道ではスキヤキの具は豚肉であることが多いとのこと。豚スキといわずスキヤキと言い切るところに北海道民のたくましさを見る。なんのこっちゃ!

 そういえば山岳会のテントでスキヤキといって食事係の人が豚肉を用意したとき、ある先輩が豚肉なんかスキヤキじゃねえ、といって激怒したことがあった。我が家でのスキヤキもたいてい豚肉だったから、何だ、この先輩、見かけによらずお坊ちゃま君なんだな、と少しがっかりしたのを覚えている。ちなみに、焼肉といってまだ結婚する数年前、キャンプに誘い出した妻に、豚肉の焼肉なんて初めてだけど、けっこういける、と言われたことを思い出す。大学山岳部の仲間とのキャンプで焼肉っていったら、普通に豚肉であったから。

 こうして日本国は次第に裕福になってゆき、スキヤキは北海道でも牛を使う家庭が増えているような気がする。かくいうぼくは当然今夜は豪勢に牛肉の独りスキヤキなのである。少し肉や具を余らせたので、明日の朝、牛丼にするためにご飯焚きタイマーをセットした。久しぶりに米を研いだ。自分が米研ぎのプロであることを思い出した。山ではいつもこうしてマメに米を研いで、ラジュースでご飯を炊いてたんだっけな。

 窓の外を覗くと吹雪いていて、車が半分隠れている。明日は、朝から牛丼の具を煮て、同時にパジェロの雪払いかあ。冬の一戸建てに住む独り身は、こう見えても案外に忙しいのである。