クリスマスに読む本
季節に合った本を読むと、それだけで得をしたような気持ちになるくせに、どちらかというとそういう努力を怠ってきたぼくが、今年に限って、クリスマスに合わせてクリスマスの本を用意している。そういう気分になることが少ないために、今年はまとめて読んでしまおう、という魂胆。
以前クリスマスにクリスマスの本を読んだのは、エド・マクベインのイヴの一夜だけに展開するお洒落なミステリー『ダウンタウン』がハードカバーで出版された年だから、1990年。何と15年も前の話じゃないか。
その後、何かないかと記録をまさぐると、ドン・ウィンズロウの『歓喜の島』が出てきた。1999年に読んでいるが、惜しいことに、12月26日に読み終えている。
そういうわけで、今年は、文庫化されて買いやすくなった、J・グリシャムの『スキッピング・クリスマス』、アンソロジーだが実に興味を惹かれる『夜明けのフロスト』(フロストのミステリーとしては二度目のクリスマス・ストーリーになる中編小説)と立て続けに読んでいる。次にディーヴァーの珍しく短編集である『クリスマス・プレゼント』をと思ったが、傑作の誉れ高いキャロル・オコンネルの『クリスマスに少女は還る』を優先させることにした。この本で、おそらくイブの夜とクリスマスその日を過ごすことができるだろう。
風邪気味で具合が悪く、ゴルフの練習もスキーも控えているひっそりとしたクリスマスを迎えつつも、こんな楽しみを見出して楽しんでいる次第。