ハヤカワの猛者たち
年間ベストを狙い、秋に勝負をかける出版社が多い中で、ハヤカワが、12月に勝負をかけている、のかな?
まずダニエル・キースの新作『タッチ』。
R・B・パーカーお馴染みのスペンサー・シリーズ最新刊は『冷たい銃声』。
東直己ススキノ便利屋シリーズの最新刊『ライト・グッドバイ』。
おまけに今年話題を攫った『ベスト・アメリカン・ミステリ』の第三冊目『スネーク・アイズ』。お馴染みのアンソロジスト、オットー・ペンズラーに加え、今回のゲスト編者はなんとなく短編の似合わないイメージのネルソン・デミル。スティーヴン・キング、ジェフ・アボット、ジョイス・キャロル・オーツらの短編ミステリ選集は、未知の作家との出会いがいつも楽しみ。
文庫では、ドメニック・スタンズベリー『告白』(アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ペイパーバック賞受賞作)が、ノワール・サスペンスとの触れ込みで、若干気になる。
ジョン・ラッツの『同居人求む』は、確かミステリアス・プレス文庫だったものをミステリ文庫でリバイバル。『このミス』でもいいところにつけた作品だった記憶があり、自分でも持っているのだが、未読。これを機会に読んでみようか。
ついでにハヤカワ名作セレクションではハインラインの『人形つかい』、ハイスミスの『11の物語』も出版。
こうして並べてみても、やはり年末に、ハヤカワはコアなところを持ってきているように見えるのだけど……。