深夜に。食い入るように。
モーニング娘。なんて、あまり真剣に見ることのないアイドル集団だけれど、深夜のTVドキュメンタリー「アイドルたちのフットサル」を、面白半分で見始めたら、いつの間にか食い入るように彼女らの試合を追いかけている自分がいた。
番組そのものは12月からスタートするSphia Leagueの番宣なのだろうが、フットサルというゲームそのものは本物だし、ただのアイドルが練習によって鍛えられ、そのカモシカのような脚から放たれる渾身のシュートは、まぎれもなくその辺の素人の男供を(ぼく自身も含めて)凌駕するくらい、きちんとした技術に裏付けられている。
本物のスライディングシュートがあり、本物のファインセーブがあり、本物の笑顔や、本物の悔し涙があって、それらはアイドルたちの思いもかけぬ魅力的な、化粧っけのない素っぴんの美しさだ。
誰が考えついたものか知らないが、この企画はちょっと凄いぞ。これをきっかけに若い少女らがフットサルに馴染み、それを追いかけるように少年たちもサッカーボールを脚に馴染ませるようになるなら、それはそれでフットボールというスポーツの文化的底上げに繋がるかも……などと、真剣に見つめてしまった。
そして何度もじーんと本物の感情の揺らぎを覚えた。少女たちにも、彼女らを支えるフットボール界出身の大人たちの真剣さにも。あの福永が、こんなところでグラビア・アイドルたちのフットサル・チームを率いて決勝を闘っていただなんて、ぼくは全然知らなかったよ。