忘却の彼方から
ソニーマガジン社より、ヴィレッジブックス『報復ふたたび』(ジリアン・ホフマン著)をお贈りいただいた。昨年の今頃、ちょうど『このミス』投票が終わる頃に『報復』の仮製本版を頂いて、「全国の書店員絶賛」という風変わりなアピールの仕方に驚き、しっかり読書の方も楽しませていただいたのだが、面白かった感触のみ残って、一年経った今その内容がほぼ完全に思い出せない状態。当然、『このミス』アンケートでもリストアップされないわけで、やはり出版社がこぞって勝負作を秋口に固めてくるのもわかるような気がする。
さて『報復ふたたび』も「ふたたび全国の書店員、熱狂」となっている。「『報復』は単なる序章に過ぎなかった」のだそうだ。犯人は逃げたんだっけか? サイコサスペンスだったっけか。読めばきっと思い出すに違いない、という甘い態度でいるのだけれど、最近記憶力にめっきり自信がない。
今年度選んだM・マーシャル『死影』あたりも早く次作を出してくれないと、犯人が逃げたことさえ忘れてしまいそうだ。ちなみに、逃げることを繰り返す87分署のトップ犯罪者デフ・マンがまたも活躍する『耳を傾けよ!』を入手。さすがに二重面相のように何度もシリーズに派手派手しく登場するだけあって、このキャラを忘れることだけはなさそうだけれど、最初に読んだ時期がまだ若かりし頃だったからなのかな?