シュンの日記なページ

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『このミス』の季節

 『このミス』の毎年のスケジュールは判で押したように毎年同じだ。まったく同じ10/6に依頼メールが届いた。10月いっぱいで作品を選ぶ。選択の範囲は、2004/11月-2005/10月に出版された新刊。11月の頭にはコメントを付して回答を送信する。12月の第二週頃に本になって出る。年末年始には、各版元が『このミス』の順位を帯に掲載する。
 ぼくはと言うと、主だった書評家の選んだ本をチェックし、来年の作家の隠し玉をチェックするくらいで、あとは大して読まない。『このミス』全体の選択の傾向と自分の好きな本の傾向とは当たり前なのだろうが、全然違った方向を示していることがわかる。
 自分の選ぶ作品がトップに立つことはエルロイ以外ではほとんどあり得なかったし、自分もトップに立つまいという選択のしかたをするからだろう、
 さて、今年はぼくの中では海外作品の競り方が激しい。これは選ぶぞ、と思った作品が既に何冊かあって、順位付けは後回しだ。
 今年の一番のお気に入りはスウェーデンの女流作家カーリン・アルフテーゲンで、『喪失』も『罪』もどちらも文句なしに秀逸だった。ノワール系では、ジェイムズ・カルロス・ブレイクの『無頼の掟』。チャック・パラニューク『ララバイ』も凄まじかったし、ウェストレイクは『聖なる怪物』『弱気な死人』とどちらも秀逸なのを書いている上、スターク名義で『悪党パーカー/電子の要塞』まで出している始末。そこへもってきてレイ・シャノン『男殺しのロニー』や、今読んでいるD・アンブローズ『偶然のラビリンス』も凄いではないか。巨匠レナードの『ビー・クール』だって、M・マーシャルの『死影』だって好みだ。
 未読ではM・コナリー『暗く聖なる夜』、E・ガルシア『鉤爪の収穫』、他にディーヴァー、トマス・H・クックなどの常連は、アンケートにはもういいか。ソニー・マガジンズが送ってくれたヤングアダルト向けのブルー・パリエットフェルメールの暗号』も未読だし。
 日本作家では、原りょうの『愚か者死すべし』は感情的に応援してあげたいが、横山秀雄の二作(『震度0』『ルパンの消息』)は鉄壁だし、東野圭吾『容疑者Xの献身』は「道新」に掲載された関口苑生のコラムで、ものすごく読みたくなっている。東直己としてはとても不思議な作品『スタンレーの犬』もどこか非常に気に入っているが、志水辰夫『約束の地』や桐野夏生『アイムソーリー・ママ』、小川勝己『ロマンチスト狂い咲き』など、それぞれに好きな作家たちの怪作も気に入っているし。
 皆さんの今年のベスト6は何ですか?