シュンの日記なページ

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レッズ、脱力

 セレッソ大阪VS浦和レッズ 3-1

 今日はセレッソワンサイドゲームだった。野球ならともかく、サッカーには必ずチーム時間が訪れるから、ワンサイドゲームなどはあまり存在し得ないのだが、今日のレッズは、優勝を狙うチームでもなかった。J1リーグに相応しいチームでとは言えなかった。今日のゲームが天皇杯であったら、大学サッカー部にだって負けていたかもしれない。

 サッカーの基本は、とにかく走り負けないことに尽きる。ジェフ千葉オシム監督は、弱小チームを強くするために、サッカー・テクではなく、とにかく90分間走り回れるチーム作りを目指した。その結果、ジェフはめきめき強いチームになった。その基本は技術でも選手層でもなく、とにかくピッチに立った選手が、他チームに負けないくらい走り抜くことなのだ。

 その基本は、プロサッカーでも草サッカーでも変わらないぼくのチーム、FCアレスでも(ここ数年ご無沙汰しているのだが)、とにかく走らないと、周りの若手から叱咤される。攻撃はともかく、守備の局面では懸命に追いかけないと、後々までどやされる。その挙句、人間として信頼されなくなるから、パスが来なくなる。

 でも逆に、どんなにボール扱いが技術的に下手っ糞であろうと、懸命に走るプレイに対しては、その結果に関わらずエールが送られる。「シュンさん、いいぞっ!」サッカーをプレイして、一番嬉しいことは、ゴールを決めること以上にこのエールを受ける瞬間かもしれない。ぼくにとってはこれが一番価値のある瞬間であり、ゴールは二番目に嬉しいことなのである。だからこそ、サッカーは無限に楽しいすぽーつなのだ。

 でも今日のレッズ。実に、ひどい状態だった。セレッソの選手たちと比較して、単純に累計で、全力疾走した回数というのをグラフに表したら、大変な差がつけられることだろう。走った距離のグラフを作ったとしても、きっと言い訳のきかないくらいの大差で負けるだろう。一生懸命度を表すスケールとしてサッカーは、とにかくどのくらい死に物狂いで走ったのか、ということに尽きるものと思う。全力で走った頻度。全力で走り続けた距離こそが、スケールなのだと。

 ボールがある選手に来る。そのとき周りが全員止まっていたら、パスという行為に移ることができない。一人のオフェンスに対し一人の相手ディフェンダーが付くのだから、オフェンスがディフェンダーをかわしてパスを受けようとしない限り、その選手にパスなんて出せやしない。パスを想定したフリーランニングがあって初めて、偉大なパサーであるジダン、レッズでは伝説ですらあるウーベ・バインフェイエノールト小野伸二であっても、パスは出せない。パスは一人によって作られるものではなく、受け手がその動きを開始して初めて成り立つのだ。

 デンマークイングランドに勝ったのは、デンマークイングランドほど有名な選手など誰もいないのに、受け手がパスを受けるためにいつも走ってくれることで、どんな選手でも素晴らしいパスを容易に供給できるからだ。一人ではなく二人も三人もの受け手が走ることで、デンマークのワンタッチ・サッカーは初めて成立する。今日はそれに近いサッカーをやっていたのが、レッズではなくセレッソであった。誰の目にも明らかな事実ではないだろうか。

 走る。走り抜く。そんなサッカーの基本を草サッカー以下でしかやろうとしなかった今日の浦和レッズに、今期の優勝を闘う資格なんて、だからこそ金輪際あるわけがないのだ。