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マリッチの存在感

 さて新生レッズの現状に関する話である。
 ここまでこき下ろしてきたマリッチの存在だが、先週末のゲームで初ゴールを取り、そして最後まで前線でボールを追いかけ回したその献身プレイには、改めてマリッチの存在を見直したという人も沢山現れたはず。かくいう(あれほどこきおろしていた)自分がそうなのだから、人間というものはわからないものです。
 32歳クロアチアフォワードという肩書きに似合ったちょんまげ&黒ひげの、ややロバート・デ・ニーロの苦み走った表情を時折覗かせる風貌は、それだけで存在感たっぷりである。ピッチ上でもボールにはよく触り、ワンツーなどのプレイに光るものが見えるのだが、何せ大きい選手の割りにヘディングが上手くない。それにチャンスが多いのだが、シュートが枠にゆかない、など、一方で天才的に活躍するポンテを横目に見ると、その比較対照としては、同じドイツ、ブンデスリーガで戦って来た選手とはいえ、どうも信頼感が離れてゆくのだった。
 だから前節でのマリッチのアピールは素晴らしかった。そしてこの日、ナビ杯準決勝千葉戦では、マリッチは頬骨の陥没骨折で不覚にも退場を余儀なくさせられた。凄いのは、彼が自分で立ち上がって、怒りを表明し、ファールさえ取らなかった審判に頬の陥没した部分を見せながら、すたすたとピッチを後にしたことだ。こんな光景は見たことがなく、試合を見ている間、なんだ、あんなに歩けるのに試合放棄みたいな態度は、と、ぼくはまたも誤解していた。彼は陥没骨折で三週間の負傷なのだそうで、普通なら歩いてなど帰れない怪我なのだそうだ。
 そういう彼のファイトも空しく、試合は3−1という一方的な敗戦に終わる。後半戦にあたる千葉との第二戦は10月中旬だが、その試合で2点差以上で勝たない限り、レッズのナビ杯決勝進出はあり得ない。せっかくエース田中達也が戻ってきたというのに、マリッチとのコンビが組めない数試合が、今思うととても残念でならない。