旭川：記憶できない街

　▼地図と方角には滅法強い、というつもりなのに、旭川という街だけはなかなか覚えられない。特に駅と買い物公園の位置関係はわかっても、繁華街であるサンロクとの三角関係に関してはよくわからない。いつものホテルではないというだけで、魔窟に紛れ込んだような気分になる。
　▼エドワード・バンカーも亡くなったらしい。杉浦日向子も亡くなったらしい。バンカーはここ数年、こだわった作家だっただけに惜しい。マクベインのように実際に会って話した作家であれば、さらに強烈に自分を打ちのめしただろう。
　▼山頭火サンロク店に入った。旭川ラーメンの麺はカンスイを使っていないんだっけ。ぼそぼそしてまずいんだけれど。同じ旭川ラーメンでも、「一番」や「三平」や「熊っ子チェーン」は美味いと思うし、「よしの」は、関東にあるチェーン店「ラーメンショップ」の味なんで、びっくりした。もっと美味い旭川ラーメンがきっとあるに違いあい。
　▼13階の窓から見下ろす旭川の街は今どちらの方角を見ているんだろう。やはり位置関係がよくわからない街だ。河口と湾が重なる、ここよりずっと複雑な釧路の街は確実に把握しているのに。不思議だ。