シュンの日記なページ

当別町スウェーデンヒルズ移住者 ブックレビュー 悪性リンパ腫闘病中 当別オジサンバンドOJB&DUOユニットRIOのVocal&Guitarist ツアーコンダクター 写真 スキー 山 田舎暮らし 薪ストーブ

変身

 採用面接の印象と、実際に採用されてからの印象が変わる人は多い。採用面接では、人は大抵、自分を売り込むために必死になっており、限られた時間の中で自分をプレゼンテーションしようとする。その空気からは、前向きでやる気満々な一面のみが感じられ、表情はバイタリティに溢れ、少なからず明るく、社交的な人格ばかりが前面に浮き彫りにされてゆく。
 ところが採用されてみると、そこには慣れない仕事が待っており、彼もしくは彼女の不安はむしろ前面に出てくる。戸惑いと心配と自信のなさ(採用面接で見せてしまったことへの後悔も若干含まれているのかもしれない)などが、にじみ出てしまっている。
 これ以上ないほどに明るく見えた人が、実際には微笑みすら表情に浮かべられずにこちこちの表情で仕事場にやってくる。採用面接では個人を相手にアピールして済ませられたものを、仕事場では、多くの先輩社員や、対外的な顧客にまでよりその信頼性を訴えてゆかねば通用することがない。
 この変身の度合いはいいのか悪いのかは、ケースバイケースなのだ。こちこちに緊張することが悪いわけではなく、むしろそれだけ真摯に仕事に向き合おうという姿勢であるのかもしれない。逆に採用面接よりずっとリラックスしてくる人もいるのだが、それが悪いわけでもなく、そういう部分をこちらは予測し求めていたのかもしれない。それでもリラックスの度合いが過度であれば、少しこちらも心配になる。
 重要なのは、採用面接後の変身ではなく、採用後の変身のあり方の方なのだ、とわかっていても、彼らを受け入れる側としては、やはり自分を含めて、人間の複雑怪奇さにいちいち戸惑わざるを得ない、というのも本当の話なのである。