シュンの日記なページ

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『阿修羅のごとく』

 昔、向田邦子脚本のNHKドラマでヒットした作品を、森田芳光の監督起用で映画化した作品。かつてのドラマの四人姉妹の存在感が凄かっただけに、今の女優たちがどれほど対抗できるかと期待したが、それぞれの今の味は出ていても、やはりオリジナルの女優たちには誰も勝てていないという印象が残る。時代を昭和54年に設定してあるのだが、実際にはそんな時代に無理やり合わせず、今の時代で、今の女優たちを生かしてあげたほうが、映画としては良かったような気がする。かつての時代に、かつて活き活きしていた女優たちが、リアルタイムで渾身の演技をぶつけていたドラマに、そう容易に勝てるはずもないのだ。
 妻が出掛けの夫のネクタイを結ぶシーンがある。夫は「早くしろよ」と言い、妻は必死にネクタイの結び目を整える。そんな夫婦生活がこの頃まだあったのか? これが普通の家族の絵だったのか? 信じられない思いで、ぼくは見つめていた。当時の空気を表現するためのシナリオだった、と言うのなら、当時、結婚していた男と女は、こんな風に生活を営んでいたのか? と不思議に思う。
 そう言えば、その夫婦の娘役で、セーラー服の長沢まさみが出演しているのに、少し驚いた。もちろんセカチューの大ブレーク前で、とても地味な、ただの脇役だけれど。