接触事故
雪が解けると、北海道では交通事故が増える。積雪時にはタブーである急ハンドルや急ブレーキが可能になるため、運転が荒くなるせいもあるが、雪が消えたことでの開放感が油断を呼び込む。
かくいうぼくは、今日帰宅時に接触事故を起こしてしまった。ぼくは悪くないと思う。誰でもそういうのかもしれないけれど、ぼくは100%悪くない。
片側二車線の交差点。右側に三台の車が並んでいて、誰も右折ランプを点していない。にも関わらず先頭車が青信号に変わっても動き出さない。
ぼくは左車線を走り抜けて青信号の交差点に走り抜けた。走り抜けるところだった。ところが右の三台目の車が急に左に車線変更をしようとして、走り抜けたぼくのパジェロの右後方に自らぶつかってしまったのだ。ぼくの車は揺るぎもせずに前方に走り抜けたが、音が激しかったので、ストップした。
相手の車は二十代女性。前の車が動き出さないことに苛立ち、ぼくの車を見ずにハンドルを左に切ったものらしい。女性の車は左ミラーをぼくのパジェロが破砕。さらに左前方車体を薄くこすった形跡があるがたいしたことはなかった。女性は衝撃で口が利けないほど震えていたが、ぼくのパジェロは何ともなっていない。
小さな接触事故とは思うけれども、他人の車を信用すべきではない。もしも女性がぼくの車の前でハンドルを切っていたら、と思うと恐ろしい。ぼくは彼女の車を跳ね飛ばしていたか、ハンドルを切って左の電柱にでも自分からぶつかっていたかもしれない。
路上の危険に鋭敏にならねばならない季節なのだと、自分に何度も言い聞かせる夜だった。