お子様ひとり旅
春休みとて、祖母の家に向かう息子を、空港に見送った。北区で晴れ、東区で吹雪、千歳空港は曇りとめまぐるしく変わる天気。高速道路では前後を、パトカーの赤い点滅ランプに挟まれ、走りにくいことこの上ない。
空港ではまず、「お子様一人旅」を申し込む。見送りのため、親も搭乗口まで入ってゆくことができるし、羽田の到着口で待つ祖母のところまで空港の係員が導いてくれる。
航空券を手に入れてから、レストラン街に向かう。息子の希望でイタリア料理店に入り、ピザを食べる。正午までなのでぼくは一二枚切れだけ食べて、息子の食べる姿を見ている。
その後出発30分前に搭乗口に進むと、係員のお姉さんがチェックにやってくる。そして誰よりも早く、一人旅の子供たちが飛行機に乗り込んでゆく。他には女の子が二人。合計三人の小さな後姿を、女性係員が誘導してゆき、ぼくの視界から消えていった。
なんだか切ないものだな。