自立支援論
自立支援論というケアマネージャー向けの講演会を夜に聞きに行く。石狩市某所で吹雪の夜にけっこう満席になったのは、北海道のこのあたりではそれなりに知られた演者だったから。
マズローの欲望五段階論というのが介護や看護の世界では必ず基礎として学習されるのだそうで、これは1.生理 2.安全・快適 3.所属・愛情 4.自尊 5.自己実現(達成)と欲望の階層を表わすみたいだ。1より5を達成したほうがQOLは高いのだそうだ。QOLは生活の質と直訳ではなく、「満足感」とでも訳したほうがよさそう。
また「自己効力」という言葉が使われるのだが、これは達成することができそうだという自信や確信のようなものであり、達成のための努力を促す内なる力のようなもの。演者は自身、禁煙についてできないだろうから最初からやろうとしないのだそうで、こういうのを「自己効力が低い」というのだそうだ。なんだか高齢者でもない人がそんなことを言ってもただ「意志が弱い」のじゃないの? と言ったほうがよいように聞こえるが。
高齢者介護の原則を聞いているうちに、現在の自分らの生活に置き換えてしまえることが多いことに気づく。高齢者はお隣にいる人でもなければ、未来にいる自分でもなく、高齢者は自分そのものの影のようなものなのだ。
そんなことを感じつつ、雪の壁に囲まれた石狩の道を、日本海からの直風に凍りながら車を走らせて帰った。
明日は会議のため上京です。