シュンの日記なページ

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ズレ

 NHKのプロジェクトXがJリーグ立ち上げに関してようやく取り上げた。だが、何とも見ていて不快だったのは、特定の鹿島というチームにスポットを当てたこと。その理由はサッカーが存在しなかった町に、ジーコがやってきて優勝までしたというようなものを、少しスライドしたシナリオで感動的な映像に仕上げようと試みたものであった。
 だが、浦和レッズサポから見れば、このプロジェクトXの企画に関しては、感性のずれしか感じ取ることができなかった。Jリーグに対しジーコ、イコール立ち上げ成功という単純な図式が、どうも気に入らなかったのだ。神様扱いであることすらも。
 Jリーグの理念である地域密着型スポーツの原型は、いわば高校野球のようなものであったのだとぼくは認識している。普段野球を見ることのないおばちゃんたちがみんなTVにくぎ付けになって応援する夏の甲子園大会である。そのときは誰もが県民の顔になって地元の高校を応援した。スクイズってなに? と母親が息子に尋ねながら。
 そういうJの理念を鹿島のキャベツ畑を映すことだけでなおざりに捉えるスタンスが、なんともズレに感じられてならなかった。それぞれのチームに同等の立ち上げのドラマがあったのに、わかりやすい神様ジーコとキャベツ畑という図式しか持ってこれなかったプロジェクトのお手軽さに何とも淋しいものを感じた。
 今という時代をとらえて、Jリーグ12年目、お荷物チームだった浦和レッズの優勝の瞬間、それをずっと待ってきてずっと日本一と言われ続けてきた浦和サポーターたちの顔をとらえ、なおかつジーコジャパンに選手たちのほとんどが存在しないことを訴えるという判官びいきだって十分にできたはずだと思うのだが……。