シュンの日記なページ

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サッカーの神様に見放された日

 朝、札幌を発って、美人のスチュワーデス(客室乗務員とか何とかアテンダントとは未だに呼びたくない)さんに、「東京の今日の気温は18度だそうですよ、札幌と10度違うんです」と機内で教えてもらった頃にはまだまだ気分は明るかった。
 夜には新宿三丁目界隈で、行きつけの店を二軒ばかり友達とハシゴして、サッカーとは関係のない話をしつつ自棄酒と言ってもいいような酒を飲んでいた。花園神社の鳥居をひさびさにくぐったり、中央公園で寝静まるブルーシートの狭間を通り抜けたりして、ホテルに帰り、なんだかとても落ち込んでゆくばかりの自分がいた。
 ナビスコ杯決勝を三年連続、上京生観戦してきたわけだが、勝率がこれで1/3になってしまった。分が悪いじゃないか。
 一つにはサッカーとはとてもメンタルなスポーツであり、浦和はその部分ではまだ勝者のメンタリティーをきちんと身に付けていないんだということをまざまざと実感させられてしまったからだ。PK戦のことを言っているのではなくて、あくまで試合のことを言っているのだけれど、たとえば、このゲームではまずFC東京に押し込まれる展開から始まってゆく。普通のゲームへの入り方ではなく、レッズ全体に硬さが感じられた。
 もっと感じたのはサイド攻撃がなかなかスタートしてくれなかったことだ。なぜ今日は両サイドが全然上がらないのか? その答えをギドが出したみたいで、永井を右サイド前目に張らせる、また三都州を平川に変え縦のスピードを持たせる。これで初めてサイド攻撃がスタートしたのだが、これは後半の半ばで、はっきり言って「遅いよ!」
 サイド攻撃そのものもなかったのだからサイドチェンジだってほとんど見られなかったのだ。
 仕掛けのドリブルを選ぶ選手もほとんどいなかった。パス、という第一選択肢が極端に多かった。永井が最もドリブルをしかけにはいり、その期待は大きかったのだが、三人四人に囲まれてしまい、なかなか突破を許してくれなかった。
 いつもはボールの受け方の巧い田中達也が、早いプレスでボールを失うシーンが多く、楔になりきれなかった。
 いろいろな意味でがちがちになっていた。
 試合数日前闘莉王がFC東京に引いて守ったらつまらないから攻めてこいとインタビューで挑発を行ったが、これは守られたらたまらないの裏返しだった。東京の守備はリーグではぴか一。その鉤をこじあけることができなかったわけだ。
 メンタルで弱いのだろうと観戦中ずうっと思っていた。いつものレッズとはまるで別のチームのように見えた。後半半ばからようやくレッズのリズムが出始めたが、やはり時間のないことへの焦りが、シュートミスを呼んだのだと思う。運という言葉はふさわしくない。すべては心のありようが反映されるものだと思うからだ。前半、まだまだ有り余る時間があるときにこの攻撃が、これほどのチャンスがあれば、FW陣はもっと落ち着いたシュートで得点を挙げることができていただろう。でも前半決定的なチャンスはほとんどなかったし、FWにまともな配球はなされなかった。それほど、選手たちは動き出しできず、パス供給できず、ピッチの横幅を上手に使いこなすことができなかった。
 メンタル、これに尽きると思う。サッカーの神様に見放された日ではないのだ。メンタルを鍛えるべきなのだ。そこをサポーターは必死に補おうと声を嗄らして応援を継続する。ぼくにできることも長い時間の全てを声援に費やし祈ることだけだった。それをしたが祈りは届かず、コクリツに落日がやってきて夜となった。
 落ち込んだ。どうにも悔しく、やりきれない気持ちをもてあまして、新宿に向かったのだ。
 そう、こういう日だってあるのさ。