回転

　７月７日に十勝で社長さんたち３名のお付き合いでゴルフをやる羽目になり、今週二度目の練習に出かける。ボスは慌ててぼくにウッドを貸してくれるし（ぼくの二十年前のウッドは名のとおり本当の木であり、打つとパシッではなく、カポッと音がするし、当然飛距離は出ない）、取引先の営業マンは心配して一度コースに出たほうがと早速、明日、石狩のゴルフ場に予約を入れてくれる。
　月曜日に社の営業二名とＭ沼付近の打ちっぱなしに練習に出かけたのだが、二人とも超初心者で教えられた気配が感じられない。二人揃って右のほうにばかり、不安定なゴロのボールが飛んでゆくちょうど間に挟まって、自分の体をどうやって回転させるんだっけと頭で思い出し、体をセットしては、昔先輩にコーチを受けたときのこと、本を読んで研究した足の幅のことなどを記憶の底からサルベージする。
　その後何日も腕や肩が痛くって仕方がなかった。左腕が痛いのは下手なんですよねえと事務の女性に冷たく言われ、うん左腕が痛いし、確かに全部フック系だったよ。
　今日はそのフック系を修正しに、会社を退けてから独りで練習へ。自分の体がうまく回転して、その遠心力で打てるときにはボールはまっすぐに飛び、しかも飛距離が出る。でも回転にどこかいびつさが加わると、ボールは曲がってゆく。それに平常心。自分の回転を観察する冷静と客観。慌てずゆっくりと上げてゆき、重力にゆだねてインパクトの瞬間だけ振り抜く。最初はボスに借りた慣れぬドライバーを二本試し、その後各種アイアンへ。ハーフセットしか持っていないので奇数系のアイアンを振り抜く。およそ全部がまっすぐ打てるようになったところで切り上げる。グローブを外すと、マメが知らぬ間にできていて、マメが知らぬ間につぶれていた。手を洗うとそこはとてもしみて痛かった。明日は本コースだ。（祈るように）回転、回転！