ノーサイド攻撃

　レッズもサンフレッチェもサイド攻撃を封じ込め合ってしまったようなつまらないサッカーだった。特に長身フォワードを擁する広島は中央攻撃に終始してくれたので、守備的には随分楽をさせてもらった。
　レッズのサントスがどうも機能していない。華麗、テクニカルという選手につきものの、傲慢が見える気がする。真剣さが感じられない。ブラジル人ならではの熱い気持ちが伝わってこない。小手先の（サッカーなのでおかしな言い方だが）サッカーに終始しているようで、深みが感じられない。
　そうした姿勢が全員にリズムの悪さを生じさせているように見受けられる。抉ろうとする勢いにブレーキがかかっている。シュートへの意識が薄まっているように見える。とことん追いかける気迫が感じられず、ボールへの一歩の出だしが遅い。
　前半はほとんど広島の勢いに負けており、後半は体力で勝ったのかレッズがボールを持つ機会が多かった。なのに、最後の最後までサイドを抉り切るというサッカーができなかった。アーリークロスの平川ばかり見たくない。Ｐエリアに食い込んでゆく選手が少なすぎる。
　セットプレイにも工夫がない。とりわけゴールから逃げてゆくボールを何度も失敗し無駄にしてゆくレッズの策のなさにはがっかりした。ディシプリン(規律)のないサッカーはレッズというチームには似合わないのか。オフとのように決め事を沢山作らないと、勝つことができないのか。
　不安の暗中模索状態が続いている、といったありさまに思える。