シュンの日記なページ

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地方在住

 夜9時まで仕事をしていても帰ると道が空いていて15分で家だ。でもこれが東京時代のぼくならば、夜9時の退社で、帰宅は10時半過ぎであった。家で飯にはあまりに遅過ぎるので一軒寄ってゆくし、ときには酒が入ってもう一軒となり際限がなくなる。すると帰宅は11時から真夜中を過ぎる頃と相なる。午前様など当たり前、会社に泊まり込んだ夜も何度となくあったくらいだ。
 労働時間は同じでも、いま、地方在住者であるぼくは、当たり前のようにまっすぐ家に帰り、TVを見ながら食卓に腰を落ち着ける。都内勤労者であった時代は、毎日のように「夜が遅くてねえ、帰るのがいつも11時12時だよお」と嘆いていたものだ。東京と地方の両方で仕事をした経験があると、こういう比較ができるし、その落差もわかる。
 地方在住者だからって、決して暇にしているわけではないのに、都会生活者の方が忙しそうに見える。地方生活者はプライベートタイムは確かにある程度確保できる。その代わり通勤は車だったりするから、「通勤時に読書」なんていう構図は、そもそもあり得なかったりするし、渋滞は基本的に起こらない。ぼくの読書は通勤時のひまつぶしなのではなく、あくまでプライベートのフリータイムを切り崩して作ってゆくアクティブなものでもある。
 かといって東京時代もひまつぶしだったわけではないのだ。実はぼくは、あの時代も車通勤であり、6時台に家を出て、渋滞の都心の車の中でサンドウィッチにかぶりつき、缶コーヒーを呑みながら、文庫本を膝の上で開いていたものだ。今思うと不思議なのだが、出社するまでに50ページは読めた。帰りは暗いので本を読むことはできなかった。代わりに、酒と麻雀の日々であった。でも家に帰れば毎夜100ページは読む人であった。要するに今と別に変わらない。
 ただ、今は、と言えば、とても規則正しい。仕事もたっぷりやるし、本は家で専用の時間を作って読む。できたら他の種類の時間を、もっとずっといっぱいに増やしたいくらいだ。地方在住であることの長所も短所もどちらもうまくこなして生きてゆく。どのみち、それしかないのだから。