シュンの日記なページ

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空港

 新千歳空港パジェロを走らせる。後部座席には妻子を載せている。今日はぼくが飛ぶのではない。息子が単独で飛行機に乗って羽田に向かうのだ。春休みを、浦和にある妻の実家で過ごすために。おばあちゃん、おじいちゃんが羽田に迎えに出てくれることになっている。
 空港には早めに着いたが、駐車場に入るのに少し並ぶくらいの混雑。さすがは日曜日だ。搭乗手続きを済ませ、ジュニア・パイロット(子供一人旅)の申し込みも済ませて、一時間強のゆとり。空港内で珍しい回転寿司に入り、昼食とする。息子の希望。
 その後まだ時間が余るのでコーヒーを呑んでゆっくりと過ごし、その後、搭乗口に向かう。息子がゲートを入り、妻が付き添う。十五分ほどぼくだけが暇なので、ソフトクリームを食べて過ごす。妻と合流してからガラス越しに息子の飛行機が飛ぶのを見送る。息子の荷物にこれが入っていて警備に引っかかったと妻が手を広げると、ハサミとカッター。宿題をやるために筆箱をデイパックに入れていたのだが、その中に常備されているものらしい。テロ警戒の時節なので小学生と言えども容赦なく刎ねられたのだそうだ。
 ガラス越しに滑走路の方を眺めていると、隣で黄色い歓声が上がる。高校生くらいの男女が数人、転校してゆく友達を見送っているみたいだ。「これでお別れだね」「きっといつか帰って来るよ」などというセリフが耳に入る。春休みだ。別れの季節でもあるのだな、と思う。親の転勤だってあるだろう。入学。移転。いろいろな意味で日本はこの時期が年度末だった。
 たっぷりと時間が過ぎて、息子を載せた飛行機がふわりと空に浮かぶ。銀雪の夕張山塊を背景に。春のきらめきを身に纏って。