新生コンサドーレ札幌

　日ハムフィーバーと昨季の情けない闘いぶりですっかりファンを失ったかと思われるコンサドーレだが、ぼくは内心期待している。金目の監督や、有名ロートル選手に別れを告げ、若手無名選手を中心に、経験のある柳下監督の指揮の下、ようやくコンサドーレも地道に基礎を立て直す道を歩き始めたかと内心うれしく思っている。
　今日の甲府戦を見る限り、未経験の弱みが出たことで同点に追いつかれたものの、常にリードを勝ち取ってホームらしいアグレッシブさを見せつけた好ゲームだった。何より若い選手特有のスペースへのフリーランニングと、サイドからの展開、ピッチを広く使った大きなラストパス、昨年までのコンサのように誰かに頼るサッカーではなく、自分たちがやらねばならぬサッカーへと変貌を遂げていた。さすがいい監督を選んだなと思う。
　ゲーム終了直前に追いつかれたが、いやな雰囲気ではなく、むしろ爽やかで、そこに拡がるサポーターのコールにじんと来た。逆境とも言えるチーム事情にこのファンの声援があれば、チームはそれだけで存在が魅力だ。強くなくても、スター選手がいなくても、思い切りピッチを走り抜ける闘争心とダイナミックなボールの動きがあれば、人は容易に感動に追い込まれる。
　自分が浦和レッズを応援するときも同じ心情だから、今日のコンササポの気持ちはよくわかる。それにしてもレッズ対マリノスの実況が札幌では見られない。ネットの実況掲示板で得点経過を知りながら、コンサのゲームを見ていた。つくづく辛い、レッズサポにとってのここは逆境でもある。