シュンの日記なページ

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U−23、ロシア戦

 日韓ワールドカップ、札幌ドームでドイツ代表が、サウジアラビア相手に8−0の圧勝を遂げた試合を見て、ドイツの強さに驚愕したものだった。ただ単に強い、というだけではない、その容赦のなさ。どのポジションの選手であれ、プレスがなく、前にスペースがあればどこまでも攻撃に加わってゆく、攻撃の多重奏。
 先のマレーシア戦で坪井がそれをやりかけながら、まだ前にスペースがあるのに、自発的に止まってしまい、パスコースを探すシーンがあって、ああ、これが日本のチームなんだなと実感したものだった。ギド・ブッフバルトという新しい監督を迎えるレッズの選手坪井。ドイツ・サッカーを体現してきたギドの奔放なリベロのプレイを見慣れているぼくの眼には、日本的謙譲の美徳などは、とても折り合えないように映ったものだ。
 今日の田中マルクス闘莉王の突進は、まるでギドの魂が乗り移ったかのようだった。最終ラインでボールを奪い、そのまま相手ゴールを脅かすところまで入り込んだ。結果的に坂田を経由して高松のゴールに繋がったこの一つのプレイは、日本サッカーに確実な変化をもたらす何ものかであるように見えた。
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 フランス・ワールド・カップ予選でのイラン代表は、日本にとっての宿敵であり、彼らの闘いはジョホール・バルでの劇的なゴールまで続いたロングランであったわけだが、あのときのイランの2トップ、アリ・ダエイとアジジというデコボコ・コンビは非常に印象的だった。互いに違った才能の持ち主であり、体格が正反対でありながら、彼らがイラン代表を引っ張っているのは、予選の中で明らかだった。
 そのイランを相手に迎えた先の闘いで、日本側の2トップが、平山と田中達也であったとき、彼ら二人に、あの日のダエイとアジジを見る思いがした。その二人で、きっちりと点を取ったという結果を含めて、なかなかに見ごたえがあった。
 今日、スタメンは高松と坂田のスタートだったが、終盤、日本チームは、膠着した状況下、ついに2トップを一気に入れ替えた。平山と達也がともにピッチに立とうとしたとき、静岡スタジアムに地鳴りが湧いた。高松と坂田も同じデコボコ・コンビではあったが、平山と達也の登場に沸き返るスタジアムというのは、プロのクラブチームの試合を超えるほどのインパクトがあった。
 彼らは、わずかな時間で結果は出せなかったものの、スタメンとはまた違った意味での決定的なシーンを二人ともに演出して見せる。そこには、やはり、今のA代表には見られないような、一皮剥けた頼もしさが見える。生まれたてのデコボコ・コンビによる2トップが、五輪予選の、今、最大の見ものになろうとしているのだ。そう確信してぼくは身を震わせた。
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 なぜ松井ではなく、山瀬なのか、答えが見えてきた。松井は、日本の誇るトップ・ドリブラーであるし、DF力も極めて長けているのに、ゲームメーカーになり得ていないのだ。このドリブル力を持たないまでも、パス、シュートを含めて、総合的にめりはりの効いているのが山瀬なのかと思わせる。小野、俊輔、中田と海外組のゲームメーカーである誰もが、パス、シュート、ドリブルと3段揃えて持っているところから比べてしまうと、松井の悲劇はドリブルだけが群を抜いて上手いところだろう。だから彼が出たし合いはそれなりに面白いし、松井自体大変目立つことが多いのだが、パス、シュートを並み以上のレベルに上げない限り、決定的なポジションを与えられるというところには、至らないのかな、と見てしまった。せっかくプロらしさが光る選手なのに、何だかとても惜しい。