シュンの日記なページ

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出張

 前の仕事の営業では消防署回りまでやっていたので、どんな郡部市町村でもお客さんであり、それだけに北海道中、仕事で行かないところはなかった。会社の出張規定も緩く、温泉であろうが、民宿であろうが、好きな宿を選んで泊まって歩いていた。毎週、道内のあらゆる場所へ出張で飛び回っていて、仕事も、そうした目まぐるしい移動そのものも楽しんでいた気がする。
 今の会社は、同じ営業でも、内勤、事務の割合が多い。出張を果敢にやってゆくタイプと出不精のタイプとの二つにくっきり別れてしまうところが、逆に面白い。出かけるのがいやだというタイプの出不精の営業とは、ぼくは基本的に反りが合わないような気がする。アクティブでない営業なんざ、辞めちまえとぼくは思ってしまう。
 営業という職種は、ある意味いろいろな資質を求められるのだが、その基本として車を長時間運転するのが苦にならない、会社でじっとしていられない、人が好きである、いろいろな土地を楽しめる、酒が好きだ、旅も好きだ、などのいろいろな特性が必要であるように思う。ぼくは言わばそういうタイプであるのに、年齢とともに管理職の給料をもらうようになり、再就職にしてものっけかから管理職でなければ食ってゆけないので、そういう立場に着いてしまう。
 でも基本的には出張がなによりも好きで、今後も出張、現場、お客さんとの歓談……そういったところに生き甲斐を求めるのは天性のようなもの。
 今の仕事ではどこにでも出張先が求められるわけではなく、やはり過去によく泊まっていた、浜頓別、富良野十勝川温泉、洞爺湖温泉、函館湯の川、といった魅力的な場所には、車内規定上なかなか出かけてゆくことができない。そう思うと、最も出かけていた富良野あたりが懐かしく思えるくらいだ。富良野のくまげら、日高の赤ひげ、稚内蝦夷の里、多くの飲み屋がぼくを待っているのに、そこにゆけないというそこはかとない哀切。
 時間と費用が許せば、いずれはそうした個人的な名店めぐりをして遊びたいものだ。
 今日、妻に温泉にゆきたいねえ、とため息をつかれたのがきっかけに、旅情が唐突に込み上げてきたのである。北海道に住んでいると旅情の実現はそう困難なものではない。できたら観光シーズンではない冬の間の旅を所望するところだ。来月……、かな。