シュンの日記なページ

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凍てついてない

 出勤時の道路は乾いていた。毎晩、窓から外を眺めるのはぼくの楽しみなのだが、ここのところ何日か、外を眺めても雪景色を照射するオレンジ色の街灯が、幻想を作り出して、ごくごく北の冬の平和を感じさせていたのだ。朝は陽ざしに溢れ、道路は乾き切り、路肩に盛り上がる雪の壁にさえぶつからなければ、夏道同様に快適この上ない通勤を楽しむことができた。ぼくは錯覚さえ覚えた。このまま、春になるんじゃないだろうか、と。
 一日内勤。PCの中に舞い踊る数字と睨み合い、次々と勃発する不慮の出来事にやってくる職員たちの相談に解決をもたらし、一日を終える。
 ふと外を見ると、そこには、ありとある空間を埋める濃密な雪があるのだ。風がゼロ。ただ垂直にゆっくりとおりてゆく雪の線が、束になって下降してゆく。ああ、奇麗だなあという感情が一瞬。その後には、帰りはやばそうだなと、運転の苦しみへの予感。
 さて、凍りついたフロントグラスの雪を削り、積もった雪を払いのけ、車を暖機運転させて、家路に着く。圧雪だ。これが、何という快適であろうか。ブレーキがきゅきゅきゅっと利く。タイヤが雪面をグリップする。雪は乾いた路面で、帰りは圧雪。理想的な札幌の冬だ。たぶん一瞬だろうけれど、その一瞬を捉えて走っていることの幸運を思わざるを得ない。
 関東にいた頃には路面状態なんて決して日記に現われることがなかったけれども、ごくごく当たり前に走れるだけで感動を覚えさえするのが、ここ札幌の冬の生活なんである。季節にめりはりがあれば、人間の感覚にもめりはりが生まれる、というような気がするのは、傲慢なんだろうか?