十年選手
UNCHARTED SPACEというWebサイトでいきなり自分の実名を発見。というか、ひさびさに実名検索をかけたら、たまさかヒットしたわけだが。
『このミス』の話題だった。何と1994年と2004年の号の両方でその年のベスト6アンケートを答えている回答者リスト(決して多くはない)に引っかかったのである。そうか、自分はもう10年も『このミス』ベストのアンケート回答者を続けてきたのか、と自分で驚いた次第。
実は途中にブレイクが発生しそうになった。宝島社の編集から連絡がなかったのだ。そのことを言うと、ミステリ評論家の関口苑生氏が、「ば−か、今年も書けよ。おれが連絡しといてやる」とか何とか言って、すぐに慌ててベスト6を選んだという記憶がある。
それ以後しっかりぼくは『このミス』の常連回答者に落ち着いたものの、当の関口氏は回答者を辞めてしまった。当初、9月に回答のお伺いがあった時点で関口氏はFAX回答を入れ、11月初旬〆切までの新刊ラッシュをみごとに無視し、到着順掲載のナンバーワンをいつも射止めていたので、それはそれで『このミス』の名物だったはずだ。毎年感じるこのミスでの投票結果順位よりも、ずっとそのこと方が残念であった気がする。
ちなみに『このミス』はハードボイルドやノワールの色が薄まり、最近では魔法・ファンタジー・新本格という、より「おこちゃま」ライクな、いわゆる平成日本色に染まってきている。出版界としては、してやったりという感じだ。当分新人賞には不便を感じないだろう。大人の居場所が徐々になくなってゆく。いわゆる北海道弁で「あずましくない」というやつなのである。