床屋での不満
今日、床屋に出かけたら、少し混んでいるために待っていた。するとパーマをかけて一旦待ち合い席に移動した客の椅子に、急にぼくが案内されてしまう。客の散髪途中で移動させられるのは、美容室ならばごく自然のことなのだが、理容という場所では、パーマ客ででもない限り、あまりないことだと思う。
さて椅子に座ってみると、いきなり顔を剃られる。髪を切る担当の人というのが決まっていて、その人が隣の客にかかりきりになっているために、ぼくの髪のカットに行けないようなのだ。
顔を剃った後、また待合席で少し待つように言われて移動。一旦寝かせられた椅子で起き上がって移動というのは何だかいやなものだ。少し立って、担当者が手すきになったため今度はぼくがそちらへ行くが、顔は既に剃っているので、髪のカットと洗髪だけやって、はい、終わりである。特に洗髪のあと、軽いマッサージを受けただけで、すぐにドライヤーを当てられて、はい終わりというのは、やはり反則だと思う。
「洗髪→マッサージ→顔剃り」という順番だから得られる果てしない睡魔の中のリラクゼーションが、これでは得られないではないか。目を閉じる暇さえないではないか。
床屋というのは髪を切るだけの場所ではなく、実は他人にある時間気を許して、すべてを委ねてしまう気持ちの良さを提供する場所でもあるのだ。場所だけではなく、時間も。当の床屋がそれに気づいていないのなら、それは問題であるように思う。札幌に来てから6年以上来ていた床屋だったけれど、今日の一件で、別のところに変えようという気になった。
やっつけ仕事は、いけないのだ。