シュンの日記なページ

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大道芸

 モエレ沼公園イサム・ノグチが設計したガラスのピラミッドがオープンするというので早速家族で出かける。でもお目当てはピラミッドではない。新装オープン記念イベントがいろいろ公園内で行われている中でも「路地裏大道芸」というものを親子で楽しむことが、今日の目標。午前中しか時間もなく、11時からの開演に間に合わせる。
 観たものは<猿回し><腹話術><マジックショー><紙芝居><ちんどんや><どん菓子>。観たかったのだが時間が合わなかったものが<南京玉すだれ><ガマの油売り>。全体的に子供時代を思い出させられるものばかりなのだが、紙芝居が一番郷愁を誘い、息子にも一番大受けした。
 きちんと古い自転車の荷台に乗せた箱で黄金バットの絵が開かれ、おじさんが太鼓を叩きながら実に巧い弁舌で物語を進めてくれる。14枚ほどの絵をやったところで「続く」となるわけだが、昔は一回4枚ほどしかやらなかったのだそうである。子どもたちに水飴や煎餅を買ってもらうのが目的だし、翌日も来てもらうように物語を引き伸ばすのである。大抵はまず買わせてから紙芝居を始める。貧乏だったぼくはいつも、買っていない子はあっちへ行け、観ちゃ駄目だ、というセリフで追い払われた口なのだが、遠巻きに見る紙芝居はぼくの憧れであった。
 紙芝居が終わり、水飴を買うところまでは今日もその時代と同じ雰囲気で行われた。息子はおじさんの口技に感心して大きな拍手を送っていた。さすがだな、紙芝居。
 モエレ沼は風が強く、寒いくらいで、本州では考えられないくらいの広さを誇るために、大道芸は風景としては似つかわしくない。でも広広とした芝地をちんどんやのトランペットが鳴り響き、どん菓子の砲声が鳴り響く午前。やたらと広く青い空。何とも不思議な空間がそこに幻のように存在していたことは確かだった。