シュンの日記なページ

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読書の年間サイクル

 以前、どこかの雑誌で年度上半期ベストを紹介するいう企画があってその選択に苦労した覚えがあるのだけれど、ぼくの場合、まず読書の年間ペースの区切りを11月第一週の『このミス』〆切に持ってゆく。毎年、このアンケートの回答者をやってきているせいだし、ぼくにはこれとネット以外のミステリー関連に関する社会的参加方法はあまりないからだ。
 そのアンケートが終わると、今度は新刊ではなく極力読み残している古い作品にかかる。年が明けると、大体前年評価された作品が出揃うのでその未読をクリアしにかかる。これだけでほぼ春まで。新作にとりかかるのが春。そして夏から秋にかけて出版社はベスト選考を睨んで本命を一気に出版してくる。こちらは〆切に合わせてどんどん新作を片付ける。全部は読み切れないのである程度耳で訊いたもの、信頼のできそうな作家のものと、当たりをつけて読んでゆくのである(もちろん外れも多い)。
 なので、七月に一度、上半期のベストを選ぶという企画を出されたときには往生した覚えがある。その雑誌で四名の読書の達人と言われるうち三名は今をときめく名だたる評論家ばかり。普通のサラリーマンはぼくひとりであった。この時期にはまだ正直言って新刊を片付けていない。昨年の読み残し、あるいはそれまでの気がかりな作品をどんどん片付け、さてそろそろ今年の本も片付けておかねばというのが、正直なところ。
 そんな時期に上半期のベストは選ぼうにもまだ大して読んでいない!
 先日FADVのオフで驚いたことに、ある古参会員がFADVの昨年度ベスト作品として一冊を挙げた人がいるのだが昨年読んだ新作はたった三作だったのだと言う。そのうちから一冊をピックアップしてベストだという意見を言えるものかどうか?
 たとえば『このミス』の場合は6作品限定でその年のベストを順位付けして選ばねばならない。ぼくのイメージでは最低でも、選ぶ6冊に対して、その十倍は読んでおかねばその回答にあまり意味はないのではないか、とぼくは思ってしまうのだ。選ばれたベスト作品がどのくらいの競争率を掻き分けてきたものなのかは誰にもわからないことなのだ。実はその年の作品を6作しか読んでいない人だっているのかもしれないわけだ。
 そう考えると『このミス』は誰に保証された数字というわけでもないことになる。そうした『このミス』での順位を即座に帯に飾りつけ利用してしまう版元も版元ならば、それにつられて読もうとする自分も自分なのである。う〜む。