シュンの日記なページ

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限りなき推敲

 長編小説を書き上げるという体験は初めてのことなので、本格的に推敲を重ねてゆくということも初めての挑戦ということになる。実際に、推敲作業はもどかしい。既に書き上げてしまっている作品を最初から目を通して、修正をしてゆく。ほんの少しの修正のみならず、シーンを丸ごと書き直したりもする。文章が気に入らない場合が多い。一応書き直したものを、また翌日に読んでみると、またどうも気に入らない。ああ、そうか推敲を「重ねる」というのは、こういうことなんだな、と推敲という作業が簡単ではないどころか、小説を仕上げるための実に重要かつ、丹念さを要求される忍耐多い作業であるということに気づく。
 旅行にゆく飛行機の中でまで原稿を書いてしまうような夢枕獏みたいな量産作家はこんな推敲なんて作業はきっと必要ないのだろう。赤川次郎なども書き直すことなくどんどん書いてしまえる能力があるらしい。時にはストーリーさえろくすっぽ考えず、どんどん書いてしまい、書いているうちにストーリーを考えて、しまいには帳尻が合っているということさえあるらしい。小説を書き慣れるとそういうこともあるのだろう。推敲を省略できることの功罪はともかくとして。
 いずれにせよ、そうした書き直しの要らない文章を書ける世界なんて、ぼくには異次元空間みたいなもので、まるで関係ない。頭のなかで思い浮かぶ文章を書き記してみると、てんでなっていない。「てにおは」も漢字も送りがなも句読点の位置も、間違いだらけ、ミスだらけだ。だから推敲に時間を取られる。世の中の作家がどのくらい推敲に重点を置いて小説を書いているものなのか、一度聞いてみたいという気がする。