シュンの日記なページ

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ヨサコイ・ソーラン祭り

 このイベントは全国的に認知されているものなのだろうか? 少なくともぼくが北海道に移住した六年前にはヨサコイ・ソーラン祭りのことは地元テレビが中継三昧になる当日までその存在を知らなかった。札幌に移り住んで初めての初夏、大通り公園ばかりでなく札幌市中のあちこちで、カラフルな衣装に身を包んだ相当に大勢の人が道路をいっぱいに使って踊りまくっている光景に行き当たったときには、けっこう驚いたものだ。
 札幌ばかりではなく道内のいろいろな地域から、ダンスチームを作って、衣装に工夫を施して、参加チームは札幌に集まってくるのだ。ぼくの知り合いの富良野へそ祭り常連優勝チームもやってくる(今はその頃のメンツはばらばらになってしまったのだけれど)。採点があって、審査員が優勝チームを決めるので、上位チームは相当に真剣で、しかも人数だって百人くらいいるチームがざらだし、リズムに合わせての踊りもとても揃っていて練習の厳しさが窺える。
 ヨサコイ・ソーランのおかげである地方都市から暴走族がいなくなったと言われるくらい練習は厳しい。しかしニシン猟最盛期のソーラン節をバックに、ヨサコイ風の衣装に身を包むと、やん衆風というよりは今はみな金髪だったりするからヤンキー風である。見た目は少し抵抗がある。いかにも悪そうな風貌という兄ちゃん、姐ちゃんが多いのだ。
 そんなわけで我が家でも小学校の運動会で高学年がヨサコイ・ソーランを踊っているのを見ると、あれを強制的にやらされるんだよ、やだねえ、などと言っていたのだが、そう言っているうちに土曜日授業がなくなったため練習時間が取れず、小学校の運動会から練習を要する踊りが一切削られ、柔らかさのない運動会になった。ヨサコイを踊らないで済んでよかったねという気持ちと、低学年が両手にボンボンを持って踊るかわいい時間帯も消えちゃって残念という気持ちとで難しい顔になってしまう。
 今夜は札幌市内で会合があったのだが、帰路地下鉄で独りになると、ヨサコイ・ソーラン衣装の女の子が向かい合わせに座っていた。ティーンエイジャーのようで、とても清楚で愛らしい女の子である。あまりに無垢な表情で充実した顔をしている元気な女の子のようなので、ヨサコイ・ソーラン祭りもなかなかみんなが頑張っていていいイベントではないか、と印象が変わってしまった。でも地下鉄駅で下りると、違うチームの感じの悪い女の子たちが衣装を着たままキヨスクの前にみんなで地べた座りをしていてとっても不潔に見えた。一気にヨサコイ・ソーラン祭りのイメージが失墜する。人が何かを見る目、なんて結局そんな風にころころ変わるものなのだろう。