思い出、発掘
七里の実家にまだ弟と共有していた子供部屋が残っている。
プレハブで、冬には、寝る前にストーブにかけていたヤカンの熱湯が朝起き出すと凍っているという厳しい環境だった。
そこにまでぼくの勉強机が残っている。弟は、ぼくが家を出た後、プレハブを脱出して一部屋をせしめたようだが、彼が事故で亡くなってからその部屋は母が最後まで手を付けず弟の思い出部屋として残していた。
母も亡くなり実家には、ぼくの家族の思い出しかなくなった頃、いろいろな古い写真を持ち出したりしたのだが、未だ手をつけずにいた。
最近そういうものの中から、さまざまな古いものが発掘される。実家もそろそろ手放そうと考えているせいか、こうしたものが今更思い出として蘇る。
だいぶ古く傷んでいるのだが、都岳連の加盟証だ。
24歳、黎明山の会で入っていた頃の貴重な一葉。