北の大地の骨太映画
今日は、凄い映画を見てしまった。『許されざる者』である。
北海道オールロケのこの大作は、見逃せなかった。
イーストウッド映画のリメイクとは言うものの、世界は、手塚治虫の『シュマリ』、佐々木譲の『五稜郭残党伝』、『北辰群盗録』、『雪よ、荒野よ』、五社英雄の『雪の蛍』の蝦夷ウエスタンであった。アイヌ差別の問題や、人間の原罪のところまで踏み込んだ情念のウエスタンで、根クラな映画ではあるものの、開拓時代の蝦夷地のダイナミックな大自然をここまで映像に捉えて逃さない作りは、実に珍しい。
何より役者陣の渾身の演技こそがこの映画に凄みを与えている。李監督、『フラガール』に続いて、またスケールの大きな映画をやってくれたものだ。