出勤トラブル

　今日は一日添乗員ルームで過ごす。東上線が人身事故で乱れていて、北朝霞で武蔵野線をおりると、朝霞台の駅までの通路も階段も人でいっぱいでしかも一歩も進まない、人間団子みたいな状態になっているので、そんなたくさんの人が狭い空間にいて我慢している状況が信じられなくて、ぼくは武蔵野線へ引き返す。
　飛び乗った電車が武蔵野号と言って次は大宮、なんていうものだから、え？　そんな電車があるのか？　北朝霞の次は大宮？　えええ？　と札幌から戻ってからまだ埼玉県の鉄道事情を満足に知り得ていない自分に今更驚きつつも、これはいけないと思い、ホームに戻る。
　次にくる普通の武蔵野線で武蔵浦和に戻り、池袋方面の埼京線に飛び乗って、無事職場に向かうのであった。
　人間団子状態を携帯で撮影している人がいっぱいいたけど、ぼくはそんな余裕がなく、一時間遅れを携帯で告げて歩き続けるのがせいいっぱいだった。あの人間団子の中でぴたっと止まって身動きもならなかった人たちと、それに恐怖を覚えて違う道を選んだぼくと、どちらが早かったのか、未だに全然わからない。