新宿・銀波

　三つ前の会社。つまりぼくが新卒で入社し、一番長くいた医療器械の会社だ。その時代の仲間と、年に一回くらい、集まって飲んでいる。それが２セットくらいあって、ひとつは年末にむくつけきおやじどもの集まり。こちらはというと職場仲間の、若くてきれいな女子たち中心の集まり。ぼくは年齢から言ってもオブザーバーみたいなものだ。自立心旺盛な彼女らにはもはや、不要だとは思うけれど惰性で呼んでもらってる。でもこちらの集まりも時を経て、それぞれの人生は進む。ぼくとしても今回は昨年の離婚から再婚に至った事情説明を展開する。かくして人生はまたも一歩前に進むというわけ。
　個室で和食を中心に手頃な居酒屋メニューなどもあって、食が進み、酒が進んだ。ワインと日本酒を交互に飲んだが、いい酒らしく悪酔いせずにしっかり帰ることができた。風邪だけが体内で進行していることは、そのときには全然知らなかったのである。

銀波 新宿東口店