『アルゴ』に興奮！

　25日がアカデミー賞授賞式だが、作品賞ほか計7部門くらいノミネートされている映画がこれ。情報や予断を持たずに劇場に足を運んでみたのだが、なるほど、なるほど。
　なんとなくイラン大使館占拠事件の救出作戦という情報だけは持っていたのだけれど、あの大掛かりな大使館救出作戦ではなく、あまり知られていない6人の救出作戦であったか。カナダ領事館に逃げ込んだ大使館員6人を出国させるかミッションがあったっていうことを知らなかったし、映画製作を偽装して逃がしたという前代未聞の作戦が18年間非公開情報となっていたことも知らなかった。だけどそんな作戦が実際にあったのだなあ。その偽装SFアクション映画のタイトルが『アルゴ』。どうりで、意味のわからんタイトルであったわけだ、この『アルゴ』も。
　映画の中で映画を題材にして脱出させるというだけでも映画の二重な楽しみができるし、ちょっと人を食ったようなこの作戦こそがとても娯楽映画的要素をおびていて、事実は小説より奇なりとはよく言ったものだ。
　さらに脚色が素晴らしく、ラストのスリリングさは見事。これほど心臓に悪いはらはら映画は、すっごく久しぶりだった気がする。アカデミー作品賞、取れそうな映画だ。