横浜を担当して二十代の頃毎週一日二日をここを走り回った。
ジャズを聴きにAireginに出かけ、板橋文雄の狂気のピアノが吠えるたびに喝采を送った。
バーボンを啜りながら、くすんだレンガの壁を横目で睨んでいた。
隅田川沿いに明け方の拘束を北上した。
そんな横浜はすっかり変わり、ぴかぴかの清潔で罪のない街に変わった。あの桜木町から関内の裏路地に車を二重駐車しても何らとがめられなかったあの頃とは確実に空気が違う。
支配される街、そんな新しい横浜で眠たい一日を過ごした。
いろいろなものが時代とともに失われるもんだ。