シュンの日記なページ

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 倉本聰という脚本家をどうも好きになれないのだけれど、『北の国から』の大ファンだ。作品は好きでも、その裏に見える説教臭さは大嫌いなんだ。エッセイも嫌いだ。主張している内容も、どうも無責任で自分本位な感じがして感覚的に好きになれない。
 安易に泣かそうとする脚本で泣いてしまう自分も嫌いだ。
 久々に倉本脚本のドラマを見た。WOWOWが正月に満を持して放映した度肝を抜かれるオール、カナダ・ロケのスケール感のあるドラマだった。
 仲代達也演じる爺さんと少年がカナディアン・ロッキーに住む旧友を訪ねるところから物語は始まる。癌に侵されて余命いくばくもない爺さんは、元南極越冬隊員だったらしい。彼は自然の中でのサバイバル術を一年かけて大雪の山中で孫に教えたらしい。孫は、妹を事故で死なせた過去を持ち、両親は自殺、以後、口を利かず心を閉ざした日々を送っている。
 爺さんは孫に生きる力を与えるためにサバイバル術を教え込み、人里離れたロッキーのまっただなかで腹を切って自殺を遂げる。遺書には、孫に、生きる術はすべて教えた。君ひとりで生還せよ、との内容が書かれてあった。
 孫は、自然の厳しさの中で爺さんに教えられた技術を思い出し、山麓の出発地を目指す。
 ドラマというより、そのサバイバルの描写がすべてと言っていい、ので、ドラマとしてはつまらない。説教臭いのもいやだ。でもサバイバル・シーンが妙に印象に残る。ぐりずりーに追われたり、早瀬を流されたり、ミミズを食べたり。黒板五郎さんも同じ立場なら生き延びてしまいそうだな、と思った。
 そう思うと、五郎と純の父子関係をさらにハードにしたもののように思える。そう思うと、『北の国から』大したドラマではなく、自然との闘いの中でサバイバルしていくシーンの積み重ねの方がよくよく印象に残るものだったのかもしれない。
 これは海外版『北の国から』なのだ。
 そう言えば、『風のガーデン』をまだ見ていない。北海道から転勤する頃にやっていたドラマである。今度、DVDに取り組むとするか。