シュンの日記なページ

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トゥビー

 日高での乗馬と違って、ハワイでは何鞍乗ったかなんてことは最初から問われもしないし、騎乗用のヘルメットやコートその他着用しなきゃならない装備のなどは特に何も問われない。 リスク管理は乗馬申込書へのサイン一つで客の側の自己責任というところに委ねられている。さすが訴訟社会と言われるUSAである。
 スタッフが体格や人相風体を見て馬を選ぶ点は、しかし日本と変わらない。ぼくはトゥビーという名の葦毛の馬に乗ることになった。鬣が薄茶でなかなかいい。
 お客は日本人がほとんどで、女性率が高い。年齢制限はあまりないようで、身長に合わせた馬がいれば少女にも割り当てられるようだ。何だか、とてもおおらか。
 日本と違って、整備されたトラックなどはもちろん設けられておらず、いきなり山道のトレッキング・コースに踏み入る。
 海を見下ろす断崖の麓に見出だされた散策路といった赴きの小道は、どんどん高いところに向かって行き、途中から青い海原を見渡すパノラマとなる。大小の岩礁が美しく、ワイキキと離れたオアフ島の別の顔を見せてくれる。朝の風に吹かれながらのんびりと眺める馬上からの風景が心を熔かしてしまいそうだ。
 乗っているうちにわかったのだがトゥビーはまだここの集団生活に馴れていない馬みたいで、前方の馬を追い越そうとしたり、草を食べようと屈んだりするため、手綱を緩めることのできない馬だった。油断のならない気まぐれさを何とか名前を連呼したりスキンシップを取ったりすることで騙していった。
 徐々にトゥビーのコントロールにも馴れ、いつの間にか息子の馬と入れ代わったぼくは背後を振り返って写真を撮ったりと楽しんだ。
 2時間ほどのトレッキングを終えて牧場に帰ってきたときには、太ももの内側の筋肉が馴れない運動に対し少しだけ抗議をしているようだった。