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クアロア牧場

ハイアット裏のコア通りで待っているとクアロアの日系人らしきスタッフが、小さなバスで迎えにやって来る。朝の6時半集合だから、観光ビジネスは相当早起きだ。コースにより腕に色のついた輪が巻かれる。スタッフはまず英語で語り、続いて日本語で説明を行う。どちらの言葉を使っても滑舌がよく、大変流暢だ。すごいなあ。
そんなクアロア・スタッフからは、バスの中で牧場の行っている観光メニューが丁寧に説明される。向こうについてからそれぞれのメニューを選択して申し込むようになっているのだ。島の東部にある牧場のある海岸まで一時間くらいかかったろうか。街を出ると、オアフ島は途端に立体感のある島として存在感を示し始める。大自然が青い空のもとに広がり、乾いた透明な風が光を包み込んで飛んでゆく。

 

クアロア牧場は、海ごと、また山ごと土地を買い込んでしまったとても巨大な牧場だった。それでもビッグ・アイランドと呼ばれるハワイ島の牧場の1/40くらいしかないのだそうだ。でもクアロア牧場のロケーションはこの上なく素敵で、牧場としての機能を投げ出して観光事業で食べてゆこうと考えたのが誰なのかは知らないけれど、それは紛れもなく適切な判断であったことがわかる。ことにクアロアのロケーションに魅せられてしまうこの朝、この場所は牛乳やチーズを生み出すよりも、旅行者の思い出を創出するのにふさわしい、人間のある感覚に対して刺激を送ってくる素晴らしい場所なのだということを感じざるを得なかった。

北海道の牧場は、きれいだけれども、やはりいつも機能的で、牧夫たちが牛や馬を追うのに相応しい空っぽに近い風景がそれらしく、その静謐が忘れがたいものである。それに比して観光立国ハワイのクアロア牧場は、人々に、忘れられて久しい濁りなき幸福の感覚を甦らせてくれる、わくわくするようなテーマパークなのだ。

この日は、乗馬と映画ロケ地ツアーを申し込むことにする。バスを降り、現地スタッフに迎えられたぼくらは、予め与えられたクアロアのチケットを懐かしい学際めぐりみたいにもぎって、あなたたちの安全は補償されませんよなどと書かれたサービス供給側本位の確認書にサインをし、自己責任のエンターテインメントへの入口をくぐってゆくのだった。