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ぼろぼろ涙ドラマ

八日目の蝉 DVD-BOX 八日目の蝉 (中公文庫)

 角田光代原作の『八日目の蝉』のドラマ版を見終える。一年前の3月に6回に分けて放映されたものを、深夜一挙に再放送したので録画しておいたのだ。映画版がこの春公開されているので何となくタイトルに関心が向いたのだ。最初の頃は、女児誘拐犯の女性の逃避行を描いたものながら出会う奇抜な人たちがなんだかブラックな感じもするし、教条的でかつ冗長な感じがして、これは間違ったかなと思いかけたのだが、小豆島に舞台が移ると急転直下の展開に入る。最終2話は、もはやぼろぼろ涙なしでは見られないドラマチックな展開だ。壇れいの清楚な可憐さも演技力も宝塚出身ならではのものだったのか(とwikipediaで初めて知る)。実は『美しい隣人』でも注目していたのだが、どちらも印象的な母の役をこなしている。
 子役の女の子もとても上手でかわいらしく、彼女の成長した姿を北乃きいが演じており、『武士道シックスティーン』しか知らないぼくは彼女のシリアスな演技にも目を瞠ったのであった。他にも倍賞美津子藤田弓子吉行和子とぼくら世代にはあまりにインパクトのありすぎるベテラン女優陣が凄いのと、いつの間に大人の女優に成長していたのかと思わせる坂井真紀の一癖もふた癖もある演技が魅力だった。
 そして原作かシナリオか、演出か、クライマックスのシーン、そこでの決めぜりふ、すべて泣かせます。堂々と泣かせてしまう完璧なシーン、まずい、あまりにまずすぎる。独りで見ていてよかった。なんだか一年分くらい泣いちゃった感じだ。
 映画版も見たいけれど、ドラマ特有の長さを有効に使った演出と、映画版の切り詰めた撮り口とどちらに軍配が上がるのかがとても興味深い。