レッド・ダリア
『犯罪捜査官アナ・トラヴィス 模倣犯』は前回の『潜入捜査』よりも一つ多い3回シリーズだったけれど、これは凄かった。
エリザベス・ショート殺害事件、通称『ブラック・ダリア』と呼ばれる迷宮入りした事件は、ジェイムズ・エルロイの原作、ブライアン・デ・パルマ監督で映画化された作品『ブラック・ダリア』で、超有名なサイコ事件となったわけだが、これがこのドラマではイギリスで模倣されたという設定。
公園の目につく場所で、胴体から真っ二つに切断された女性の死体、口元は切り裂かれ笑っているかのように見える。まさに原作を地でゆく猟奇殺人に、アナ・トラヴィスたちが挑むのだが、三話連続のシリーズとはいえ、途中でやめることができず、つい全部見てしまった。
釘付けになったと言ってもいい。
やはりアメリカの乗りとは違う、イギリスのドラマなりの、落ち着きというか、しっとりとした間が、かえって怖い。さらに言葉ではなく表情や、空気で語らせるシナリオも秀逸だと想う。原作者リンダ・ラ・プラントが直接脚本も書いているゆえの効果なのだろう。
もちろんケリー・ライリーの演技も美しさも見どころがいっぱい。本当に魅せる女優である。