シュンの日記なページ

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納棺

 今日は、葬儀に先立って納棺の儀に立ち会う。
 とは言え、既に着替えを済ませてあり、父の葬儀の時のようにはおくりびとの古式での納棺の式を見ることができなかったため、その点は葬儀社に騙されたような気分である。
 その後、曹洞宗のやり方では死出の旅に出る旅支度を家族が着せてあげることになる。足袋を履かせ、その上に草鞋を履かせる。弟の葬儀の時に、父が「なんで俺が……」と慟哭しながらこの儀式を行っていたことが瞼をよぎる。
 葬儀社の人が、死に化粧を施すと、母は生きているように見えた。父もそうだったが、若返るのだ。
 その後、葬儀社の人と一緒にお棺に母を納める。軽い。
 母が発作で倒れた頃(25年前だ)、肥った母をパジェロに乗せるのは大変な仕事だったっけな、と思い出す。車いすを後部席に乗せて、そうして病院へ通ったっけな、籍を入れてして一ヶ月なのにそんなぼくを手伝ってくれた妻には本当に苦労をかけた。
 そんな想い出は遥かな過去のことであるかのように、母の体は軽くなっていた。母のなかの何もかもが一切合切どこかに消え失せたてしまったかのようだった。