シュンの日記なページ

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気狂いロバは何処へ

 連夜の酔狂が祟って、朝はEmmyさんに迷惑ばかりかけている。汚れた食器を洗って、卵とキャベツを茹で、ベーコンを添えて、パンと一緒に用意してくれる。朝からもちろん周囲にはバンジョーの音色。ステージは眠ることなく続いており、森には沢のせせらぎの音と古いアメリカの楽曲とが競い合い、食後のマンデリンの香りが鼻腔をくすぐる。

 さて撤収の準備だ。猪の毛皮が干してある駐車場まで三往復して荷物をパジェロに積み込んだ。駐車場の朝の番をしていた農家のおばあちゃんとは、毎日少し言葉を交わす。今回のブルーグラス・フェスで、彼女が一番気を許したのはきっとぼくだろうなと思う。田舎のばあちゃんと話したりすると、つい長居をしてしまうのだ。
 一通り荷物を車に運び込むと、最後のステージをユキヒロ一家とともに見る。ユキヒロの亡きバンジョー師匠のトリビュートバンドで終わる。バンジョー弾きの人生で最も深くつきあったろうユキヒロはあそこに立ちたかったろうな。なぜか人的不具合が生じてそこでの機会はついぞなかった。どうも理不尽で面倒くさいのがどの世界でもこうしたところだ。
 最後の曲を背にして、ぼくらは帰路に着いた。楽器屋のFさんが何故か楽器を二台も置いて行ったため車に積みきれなくなったため、パジェロは横浜まで楽器運び屋と化す。実は亡き弟のサックス、クラリネット、フルートも積んでいるため、そこらで露天楽器商を開けるくらいに楽器でいっぱいの荷台なのである。
 横浜を出て、家に帰る。祭りは終わった。我らが刹那的ユニットCRAZY MULEはこれからどうなるのだろうか? 携帯を通して夜にユキヒロとそんなことを話し合った。どうだい?とユキヒロ。
また、やりたいね……
とは、もちろんぼくの答であった。