八月は戦争の月
八月の終戦の日が近づくと、知らず知らずメディアが戦争を取り上げてゆく。それに馴らされた日本人だから、というわけではないのだろうが、知らず知らず、戦争に関わるものに触れている自分に気づく。
『小暮写眞館』の後は、浅田次郎『終らざる夏』を読み始めた。これは第二次大戦末期に、カムチャッカの占守島で迎える連隊を題材にした物語で、構想7年の戦争小説らしい。最初は、終戦を迎えようとある種の覚悟の気配に満ちた東京で始まるが、この期に及んで本土玉砕のための動員計画を作ったり、赤紙を発行したり、赤紙を実際に届けたりしなきゃいけない人たちの苦しみから始まってゆく。
まさに戦争の末期、季節ではリアルタイムな今のことを書いた小説で、7月に新刊で出たばかりの、湯気が立っているような出来立てほやほやの(死語?)本。
それはそれとして、最近WOWOWの海外戦争ドラマを見ているせいか、そのリアルさから逃れるための対症療法として、子供の頃に劇場で見て感激した『戦略大作戦』をブルーレイで見直したりしていた。
今日はタランティーノが戦争映画に挑んだ『イングロリアス・バスターズ』を見た。戦争の悲惨をしっかりと把握しながらも大人のバイオレンス・アクションに仕上げたタランティーノ節を、ブラピが主演で仕掛けてくれるエンターテイネメントで、図らずも『戦略大作戦』と同様の、不真面目路線での戦争映画なのだが、戦争の暗さばかりではなく、そうした現実を超越し愚弄するというハリウッド映画ならではの痛快さを感じさせるのは、まさに映画の王道。
しかもタランティーノらしく、戦争に対し、映画という武器を持って対応しているところが味わい深い。あり得ない寓話かもしれないが、例によって、爆発に向ってゆくタメの作り方は天下一品。
マカロニ・ウエスタン風の音楽もB級っぽく、素敵である。
戦争映画は必ず暗い一面をどこかに秘めているので、完全に癒される戦争映画というのはあまりないと思うが、ときにはこうした脱線した映画映画した戦争というのを日常に取り入れるのも、身の回りに平和を維持してゆくためのちょっとしたコツとなるのかもしれない。
そういえば、今野雄二が自殺しちゃったとか。ピンク・フロイドの『おせっかい』のわかりにくい彼の訳詞に感激した高校生時代を思い出す。アメリカの風をよく運んできてくれた人でした。冥福を祈る。
ちなみに最近食生活を記していないので追記。
日曜日は、マグロ刺しとマカロニサラダ。月曜日は、ホワイト餃子と冷奴とキムチ。火曜日は、ヤオコーで仕入れた小樽飯櫃のタコザンギと焼きとりとトマトスライス。今日はイイダで仕入れてきた本日の特売刺身(まぐろ、ヤリイカ、甘エビ、サーモンで390円也)とレッド・カレー。レッドカレーは前回のグリーンカレーに続くタイメニューで、今回はチキン、パプリカ、茄子にジャガイモを別途茹でで投入したもので、ビールのつまみとして純粋に辛くて美味しかった。けっこう肉と魚と野菜のバランスは取ってるでしょう。