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『1Q84 BOOK3』読了。

 1Q84 BOOK 3 

 さすがに分厚く読み応えがあったが、本の分厚さよりも質量なのかな、と思う。平易な文体なのに、全体の印象はけっこう重たい。

 SF的要素も秘めながら、実際にはリアルな日常風景にあり、どの登場人物も互いに互いを探して、見張っている状況にある、というトライアングル構造が面白い。そこに宗教法人の暴力担当者たちや孤独なプロフェッショナルが入り乱れてくるものだから、話がたいていいつもややこしくなるのだ。

 闇に飲み込まれた異次元世界を旅する純愛の心をもった男女の物語は、今回もしっかりと美しい終焉を迎えたかに見える。でも、何か釈然としない一つの可能性を暗示しながら本は閉じられる。

 やっぱりBOOK4に持ってゆく物語力を村上春樹と言うストーリーテラーはしっかりと持っているのだろうなあ。
 でもこの世界の12月は終ろうとしている。次の本は『1Q84 BOOK3』ではなくて、『1Q85 BOOK1』というタイトルにならないのだろうか?