シュンの日記なページ

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無痛治療の夜

 歯医者で虫歯を削る。痛い、って言ったら、麻酔をかけてくれた。どう見ても若い娘にしか見えない女医さんは、ここの院長である男の先生より乱暴だ。最初から麻酔だと思うのだけれど。
 麻酔が効き始めるまでのあいだ、歯石を取りましょうね、とミス歯科衛生士のお姉さんがやってくる。ミス歯科衛生士というのは僕が勝手につけたニックネームで、それはとっても綺麗な人である。しかしこの人も遠慮なく歯石を取ってクリーニングしてくれるとっても怖い人である。
 その人も痛かったら麻酔をかけますからね、と前置きで始まり、ぼくは一秒で「痛い」と左手を挙げて訴えた。じゃあ、麻酔をかけましょうか。あ、でも今左側に麻酔が効き始めているので、右も麻酔をかけると全部かかっちゃうことになるんですけれど、いいですか? と聴かれる。何だかやっぱり乱暴な話のような気がする。ぼくはわからないです、と答える。本当にわからない。どうなっちゃうんですか?
 えーと、食事まだですよね。それなら、しばらくの間食事を取るのに不便を感じると思います。
 まあ、そうだろうなあ。そこでぼくは、別の日にやりませんか? 虫歯の治療と歯石を取るのを。
 それでどうやら決着を得た。女医さんが戻ってきて、がごがごっと、虫歯の削った部分を研磨してくれた。
 麻酔の残る片頬を撫でさすりながら、何を食べようかと悩み、スーパーをうろうろする。そだ、おでんだ。とおでんの具を買い込み、家でさささっと用意する。おでんは比較的簡単であるし、やわらかいから歯科治療の後でも問題なく咀嚼できそうだったからだ。寒い夜に熱々のおでんを頬張って、ビールを呑む。
 あっ!
 麻酔にビールはいいんだっけか?