フットボールの街で
ついに埼スタでカシマの表彰式を見てしまった。今年はカシマで始まりカシマで終った。しかも氷雨に打たれてとても寒かった。
浦河のつばささん夫妻をパジェロに乗せて、一緒に、北海道レッズサポーターの忘年会会場である浦和丸に向う。駐車場から渋滞を抜けるのに時間がかかってしまい、タクシー代もかかるなど少しつばさ夫妻には迷惑をおかけしちゃったんじゃなかろうか。
でもタクシーの運転手が、浦河から来たの? とつばさ夫妻に勝手に感動して、それもそのはず、彼は四半世紀前くらいには馬主に頼まれて馬の買い付けに日高を回っていたそうである。バブル時代の投資家の指示で馬の目利きができる人が場産地に出かけて、将来ものになる仔馬を買い付けにゆくのだろう。浦和競馬場で走った馬もいたよ、と老運転手は言う。
浦和の町で、馬に関わる会話がされるなんて何と奇跡的な。ぼくの脳裏には、静内のビアホール「赤ひげ」のステーキの映像ばかりが甦っていたのだが。
北海道レッズサポの宴会はそこそこ盛り上がる。室蘭や登別からの道産、女性サポ。浦河から闘莉王を愛し浦和に移り住んだという女性サポ。男性たちを遥かに凌駕する行動力が、なぜか場を華やかにする。
湿ったような試合結果を払拭するかのように、古いDVDが店に流れ、エメルソンやトゥットや福田のゴールのたびに、店中が大きく盛り上がる。イングランドの場末のスポーツバーが想像できるようなフットボールの街の夜が更けてゆく。