『デパートへ行こう』
今日はキムチチゲ。北海道日本ハムファイターズはなんとダルビッシュを出し勝ったという、ドラマチックな一夜だった。
読書の方では真保裕一『デパートへ行こう』読了。デパートって昔は屋上に熱帯魚コーナーがあって、ジュースの自販機があって、さらにちょっとした遊園地のようなことになっていたけれど、今はそんなものがない、のでしょうか。
この作品はある夜にデパートにそれぞれがわけあって集まってきた偶然が引き起こすミステリアスな冒険物語なので、それだけを捉えても十分に面白いのだけれど、最初にデパートに行こうと足を向ける中年の孤独なオヤジが昔、母に連れて行かれたデパートを夢のある場所として記憶しており、それらの姿が今はないのだろうか、と閉店が進む日本百貨店業界などの背景なども厳かに捉えながら現代的でありながら、どことなくノスタルジー溢れる情緒的な小説に仕上がっているところが味噌。
そういや赤羽線の板橋で幼少の頃を過ごしたぼくも西武デパートの屋上でゴーカートに乗るのが好きだった。得意だったと言い換えてもいい。他にも射的や運転のゲーム。本物のオレンジジュースが跳ね返るディスプレイが妙に美しい自動販売機、目が回るティーカップ。そうした夢のある場所が確かに池袋西武だった。
ちなみに札幌の西武はいつの間にかなくなってしまっているのだという。富良野の知人が一人西武デパートで勤務していたのだが、あの人はどうなったのだろうか、などと気になるニュースだった。
そう言えば百貨店用の商品券を前回札幌に帰った折に妻に渡したのだった。こちらでは使いようがないから、ぼくはデパートに行かないし。札幌のほうが浦和よりはまだまだいっぱいデパートがあるのだろうか。そごうも丸井今井も西武もなくなったはず。今の札幌にもはやぼくは詳しくない。