シュンの日記なページ

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快挙なり、日本映画!

 何と、日本映画がオスカーの外国語映画賞を受賞しちゃった。
 素直に喜んで、少しうるうるしてしまったけれども、よく考えると、日本の映画がアメリカの映画賞の一部門を受賞するということは、ハリウッドに評価され、理解されるっていうことなのだよな。ベネチアやカンヌでは再三日本映画は評価され、今村昌平北野武も国際人になってしまったのだけれど、アメリカのような能天気な国が、こうしたヨーロッパ受けするような「おくりびと」という納棺師の映画を評価すると思うと、時代の変遷をまざまざと感じるのである。

 おくりびと (小学館文庫)

 ただ、いつも思うのだけれど、日本映画が受賞する際、それらの映画はさして日本ではヒットしない映画であるということ、実際に劇場に足を運んでみると、なぜ? なぜ、この映画が受賞するの? というほどに、日本文化鮮やかというような作品が多いのである。
 日本人が、どうだ、と金をかけて送り出したような作品は、黒澤映画以外、ほとんど評価されない。そういう娯楽映画は、日本だけのB級映画の薄闇に沈んでゆくのであろう。ぼくが好んで病まなかった時代の申し子というべき男優である、萩原健一松田優作は、ハリウッドにおいては、まさに重箱の隅なのだろうなあ、と思うと、やはり日本映画は本当の意味では世界に理解されていないのだろうと、思うしかない。
 映画そのものよりも、姥捨てや日本式葬儀といったものの異文化そのものが受けているのかな、と思うと、まだまだこんなものでは容赦できない気がする。
 とはいうものの『おくりびと』を見てもいないのに批判するわけではない。素直に、涙が出るくらい嬉しい。しかし日本映画は、すぐに次のレベルをめざすべきだと思うのである。アメリカ映画よりはずっとずっと上を行っているという思いがあるだけに。