ファミリー・ポートレイト
昨夜より、桜庭一樹『ファミリー・ポートレイト』を読み始める。家族というものは悲しい組み合わせなのかもしれないな。などと勝手に思い込む。
夜、カウンター越しに見知った常連客と対面する。85歳の爺さんと、78歳のマダム、その隣に47歳ねずみ年の常連さん。85歳の爺さんは死んだ父と同じ年。ねずみ年の常連さんは、死んだ弟と同じ年。あっ、眼の前に自分の家族が並んでいると錯覚した。彼らと話を交わしているうちに、全然違う家族だということが当然ながらわかってくる。話をしなければよかった。束の間、ぼくを取り巻いていた家族の瞬間をもっと延ばすことができていたのかもしれない。泣きそうになって、やばかった。